小山義則 青白瓷小鉢
古い器の展覧会を観に行ったとき、個人的に一番気になるのは向付です。
向付は、「むこうづけ」と読みます。
本来は、懐石料理の和え物や刺身などを指す言葉ですが、
それらの料理を盛る器のことも、同じく「向付」と呼びます。
その形はバラエティに富んでいて、中には動物の形をしたユーモラスなものなどもありますが、
私が特に気になるのは、筒型をした深さのある向付です。
ノッポの湯呑のような形をした向付には、どのような料理をどのように盛ったのでしょう。
客は上から覗き込まなければ中の料理を見れませんし、
箸を立てて持って、ほじくり出すようにして食べるしかありません。
いずれにしても、器を手に持って食べたはずです。
それってなんだかほほえましいな、と私は思うのです。
どこが?と聞かれても答えようがありませんが、とにかく。
手で持って、ほじくり出すようにして食べる向付が、私はずっと欲しかったのです。
今回、小山さんが作ってくださいました。
さすがに筒型ではなく丸型ですが、やはり手に持たなければ、食べづらい形です。
たとえば、この小鉢にざる豆腐を入れて薬味をのせたら、ちょっとよそゆき顔のヤッコになると思うのです。
おからだって、ひじきだって、一人分ずつこの小鉢に盛れば、割烹に来たような気分になると思うのです。
ご家族みなさんでほじくってください。。。
※本日、薬膳のチカラ更新しました
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by chidori-blog
| 2010-07-12 17:53